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2018.07.12

F.I.N.的新語辞典

第12回| シェアリング

毎週一つ、F.I.N.編集部が未来の定番になると予想する言葉を取り上げて、その言葉に精通するプロの見解と合わせながら、新しい未来の考え方を紐解いていきます。今回紹介する言葉は、供給力を向上させ、新しい産業・市場を創る「シェアリング」です。

シェアリング【しぇありんぐ/sharing

使わないものや空いている設備、余った時間を、それを必要とする人に共有する考え方。

十分に使われていない資産を、インターネットのプラットフォームを介して、個人間での貸し借りや、売買・交換などのやりとりを行うシェアリング。UberやAirbnbといった米国発の企業によって牽引されてきたこの分野ですが、民泊やカーシェアリング、そして大流行のメルカリなど、今や日本国内でも普及しつつあり大きな注目を集めています。今回、そんなシェアリングについて、ほしい未来をつくるためのヒントを共有するウェブマガジンgreenz.jpの編集長であり、ご自身でも“ほしい未来”の概念の元、暮らし方を追求しトレーラーハウスに住まわれるなどアクティブに活動されている鈴木菜央さんにお話を伺いました。

シェアリングによって、人々の暮らしにどのようなメリットや変化があるのでしょうか。鈴木さんは次のように話します。「第一に、所有するよりも共有したほうが、幅広くものを使えて便利です。そして地球の資源は限られていますから、それぞれのニーズを満たすものを全員に所有させるのは物理的にも難しいことを考えると、当然空いているものやことを使うサービズは今後さらに増えていくのではないでしょうか。今まで、使うには自分で全てを所有する必要がありましたが、これからはシェアリングした上で、経済的にも精神的にも負担が少なく、いろいろなものを所有できるようになると思いますね」。

 また、コミュニティーの中でシェアリングすることが大事だという鈴木さん。都心から千葉県へ移住し、トレーラーハウス住まいでのご近所付き合いで実感しているといいます。

「近所には薪ストーブがある家が多いので、みんなで薪割り機を買いシェアリングしています。おかげでとても作業が楽になりました。さらに一つのものを地域で共有することで、自然と交流が生まれます。みんなで薪を集め、最後は薪ストーブの火を見ながらお酒を楽しむこともしばしば。そういうことがシェアリングから生まれる豊かさだと思いますね」。ただ共有するのではなく、共有することによって人とつながることが幸せだという鈴木さん。これから先、シェアリングの文化は人付き合いの質に加え、ものの循環も変わっていくと話します。

「例えば世の中に商品が1回出たら、何回もユーザーが代わり愛用されていくという、“時間差のシェアリング”が浸透してくるのではないでしょうか。そして残る資源を大事に扱い、既存のものをうまく共有していく文化が広がっていくといいですね」。

所有から共有へ。そして周りの人とつながって暮らしを広げる豊かさを教えてくれるシェアリング。人が集まり共有することで、思いもよらぬ価値が生まれるはずです。

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