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2018.09.05

F.I.N.的新語辞典

第20回| サイバスロン

毎週一つ、F.I.N.編集部が未来の定番になると予想する言葉を取り上げて、その言葉に精通するプロの見解と合わせながら、新しい未来の考え方を紐解いていきます。

今回紹介するのは、テクノロジーとアスリートの融合によって生まれた新しい国際スポーツ大会「サイバスロン」です。

ETH Zurich / Alessandro Della Bella

サイバスロン【さいばすろん/Cybathlon】

障害を持ったアスリートと、ロボット技術や高度な補助デバイスを開発するエンジニアがチームとなって競い合う国際的な大会のこと。電動義足レース「Powered Leg Prosthesis Race」や、電動車椅子レース「Powered Wheelchair Race」など、競技は全6種。それぞれタスクの達成ポイントや速さなどを競うもので、未来のスポーツの形として注目を集めつつあります。

スイス・チューリヒで第1回大会が開催されたのは、2016年のこと。日本からは和歌山大学の中嶋秀朗教授率いる「RT-Movers」が参加し、「Powered Wheelchair Race」部門で4位という好成績を収めました。日頃、電動車椅子や自律運転車など、移動ロボット全般の研究に取り組む中嶋教授にお話を伺いました。

「普段から、社会でより使われる研究開発を進めたいと考えています。競技性を持つゆえ、完成度の高い技術が求められるサイバスロンは、これまでの研究の進捗を確認できる絶好のフィールドだと感じ、参加しました」

さらに、サイバスロンに参加する意義について、中嶋教授はこう続けます。

「私の研究を進める移動ロボットは今、実用性を考えるべきフェーズに入っていると思います。研究をしているとどうしても学会の中だけで閉じがちですが、実際に使う、ハンデを持った人々や広く社会とのつながりを作れるのも、サイバスロンに参加する意義のひとつ。次世代のモビリティのあり方を考える上で、必ずプラスになると思っています。次回大会にも、しっかりと準備をして臨もうと思います」

次の開催は2020年の予定。次回のサイバスロンでは、より高度化した、未来の暮らしを支えるに違いない技術を、いち早く私たちに見せてくれることでしょう。

 

サイバスロンを掘り下げた特集記事を9月下旬に公開予定です。乞うご期待。

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