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2019.12.25

F.I.N.的新語辞典

第53回| サーキュラーエコノミー

隔週でひとつ、F.I.N.編集部が未来の定番になると予想する言葉を取り上げて、その言葉に精通するプロの見解と合わせながら、新しい未来の考え方を紐解いていきます。今回は「サーキュラーエコノミー」をご紹介します。

提供:一般社団法人サーキュラーエコノミー・ジャパン

【サーキュラーエコノミー/さーきゅらーえこのみー・Circular Economy】

人や環境に有害な廃棄や汚染を出さないデザイン(設計)を行い、素材や製品をできる限り使い続けながら、自然システムを再生する経済活動。

 

今回は、資本主義の歴史における最大の革命といわれるサーキュラーエコノミーについて、一般社団法人サーキュラーエコノミー・ジャパンの代表理事・中石和良さんに教えていただきました。「これまでの地球から資源を採り、ものを作って、使って、廃棄するというリニアエコノミー(直線経済)とは根本的に考え方が異なり、その延長線上ではありません。またリサイクルやリユースは、サーキュラーエコノミーを実践する要素のひとつです」。

 

中石さんによると、欧米の主要な大手企業は、ほぼ例外なくサステナビリティ戦略としてサーキュラーエコノミーを事業戦略に組み込んでいるそう。国内企業ではまだ少数で、海外売上高比率の高い企業を中心に取り組みが始まっているようです。

 

「今や、サーキュラーエコノミーの概念は欧米のみならず、アジアや南米なども含めてグルーバルスタンダードになる勢いで広がっています。しかし日本は取り残されつつあり、このままではグローバルのバリューチェーンから外されてしまうリスクさえ生まれています。日本は資源もなく、周りが海に囲まれていることから、江戸時代は循環型の経済が当たり前でした。また2000年代初めから、リサイクルを中心にした資源活用の技術やリサイクルインフラが世界に先駆けて整備されてきました。ところが、世界はサーキュラーエコノミーという新たなビジョンへ一気に動き始めました。日本が今すぐ、従来の廃棄物ありきのリサイクルエコノミーの概念からサーキュラーエコノミーへビジョンを切り替えることができれば、まだ世界の潮流に間に合い、さらに世界のリーダーシップを取れる可能性は残っています。“横並びで沈んでいくのか?”。これが、私たちの投げかけです」。

 

サーキュラーエコノミーの概念を広く伝え、日本に根付かせていくために。中石さんはじめ一般社団法人サーキュラーエコノミー・ジャパンの活動に、今後も注目です。

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