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2020.06.11

F.I.N.的新語辞典

第62回| ワークライフブレンド

隔週でひとつ、F.I.N.編集部が未来の定番になると予想する言葉を取り上げて、その言葉に精通するプロの見解と合わせながら、新しい未来の考え方を紐解いていきます。今回は「ワーク・ライフ・ブレンド」をご紹介します。

写真提供:スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社

ワーク・ライフ・ブレンド【わーく・らいふ・ぶれんど/Work Life Blend】

人生(プライベート)と仕事を切り分けるのではなく、活かし合うこと。今回は、この考え方に則って個人と企業の成長を結びつけた人材育成を実施しているスターバックス コーヒー ジャパン 株式会社のマーケティング本部広報部・山田朱香さんにお話を伺いました。

 

パートナー(従業員)一人ひとりにとって職場が自身の居場所(Best place to work)になることを目指し、能力を最大限に発揮できる環境づくりに努めている同社。ワーク・ライフ・ブレンドの考え方自体は元々あったそうですが、近年、多様なライフスタイルや働き方が重要視されるようになってきたなかで、Best place to workをつくるためには仕事と人生を分けるのではなく両方を活かしあうことが大切だと考え、この言葉を掲げるようになったそうです。「スターバックスの強みは、主体性を持って働くパートナーです。業務効率や生産性向上を第一目的にするのではなく、パートナーがもっと仕事を楽しみ、主体的に仕事と向き合うことで、新たな価値の創出を目指しています。そして個人のやりがいや充実感・幸福度が組織の活性化や成長に繋がると考え、仕事と人生を融合させることで、パフォーマンスを高めることができると考えているのです」。

 

パートナーがワーク・ライフ・ブレンドを実現するために取り入れている仕組みのひとつが、レーティングをしない“対話型人事評価制度”。アルバイトは4カ月に一度、店長との面談を通して人事考課を実施し、それぞれの成し遂げたいことと店舗での目標を結び付け、パフォーマンスの発揮を目指しています。またライフスタイルの変化に合わせて働き方が選択できたり、雇用形態に関わらず産前産後休暇、育児休暇、育児施設補助手当制度を利用できたりすること(条件あり)、モバイルワーク制度やフレックスタイム制度も取り入れています。

 

「常に“仕事を通して自分がどうなりたいのか”“スターバックスでどんな経験がしたいのか”を考えて、自分らしさを発揮しながら仕事に向きあうことで、満足度とともにパフォーマンスも高まり、その結果として、自分にとってのBest place to workになっていくと考えています。会社としては、これからもパートナーの仕事を通じた経験を豊かにしていくために制度の改定や新しい施策に取り組んでいきます。パートナーにはそれらの制度や施策の目的や考え方を知ってもらい、使いこなしてもらいたいですね」。

 

ちなみに、同社の使うワーク・ライフ・ブレンドという言葉の“ブレンド”は、コーヒーのブレンドにもかけているのだそう。「コーヒーもブレンドすることで、風味や香りがより豊かになりますよね」。山田さんが話してくれたように、人生と仕事を活かし合うことで暮らしはもっと楽しく、豊かになっていきそうです。

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