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2018.05.27

F.I.N.的新語辞典

第6回| ヴァンナチュール

毎週一つ、F.I.N.編集部が未来の定番になると予想する言葉を取り上げて、その言葉に精通するプロの見解と合わせながら、新しい未来の考え方を紐解いていきます。今回紹介する言葉は、自然の変化を楽しめる「ヴァンナチュール」です。

ヴァンナチュール【ゔぁん・なちゅーる/vin nature

 化学肥料や薬剤を使用せず栽培したぶどうを使用し、できる限り自然のままの製法で作られた自然派ワインのこと。

 最近よく耳にするヴァンナチュールは、一時のブームを超えて、ワインのひとつのジャンルとして確立しています。安定した味ではなく、型や規定にはまらない個性的な味を楽しむという価値観は、今後どのような方向へ進むのでしょう。ナチュラルワイン好きの間で“聖地”といわれる東京・六本木の名店〈祥瑞〉で6年間サービスを務め、現在は幡ヶ谷のワインショップ〈wineshop flow〉オーナーの深川健光さんにお話を伺いました。

 〈祥瑞〉に勤務したことをきっかけに、自然派のワインの魅力に目覚めたという深川さん。ヴァンナチュールが幅広い層に好まれるのは、ぶどう本来の味わいを大切にしているところが理由の一つにあると言います。「私自身、お店に置くワインは、口に含んだ瞬間に生き生きとした味わいが身体に染み入るようなワインを中心に取り揃えています。たとえ還元臭や揮発酸などのネガティブな要素があったとしても、それをチャームポイントに変えるくらいの魅力を持ったものを日々探してセレクトしています」。

 足し算も引き算もしない、自然のままにつくられるヴァンナチュール。美味しいだけではなく、生産者やその土地の個性をダイレクトに感じられる面白みもあります。「農作業から醸造までの生産のストーリーを知る機会が増えることは、自分自身の生き方やライフスタイルを見つめ直すきっかけにもなります。自然と付き合いながら、その変化を食材から楽しむ。そんな暮らしが増えたら素敵ですね」と深川さん。ヴァンナチュールには、自然派の魅力に加え、新しい未来の気づきがありました。

wineshop flow

東京都渋谷区西原2-28-3クローバービルB

TEL:03-6804-7341

営業時間:15:00~24:00(土~22:00、日・祝~20:00)

営業日:不定休

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