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2019.03.12

F.I.N.的新語辞典

第35回 MaaS

隔週でひとつ、F.I.N.編集部が未来の定番になると予想する言葉を取り上げて、その言葉に精通するプロの見解と合わせながら、新しい未来の考え方を紐解いていきます。今回は、利用者の目的に応じた移動手段を提示する新しいサービス、MaaSをご紹介します。

 

写真提供:MaaS Tech Japan

MaaS【まーす】

 

Mobility as a Serviceの略。利用者が多様なモビリティサービスに対して“1つのサービス”としてアクセスし、自由に選択できるようにすることです。今回は2018年11月に株式会社MaaS Tech Japanを立ち上げ、日本でのMaaSの実現に向けてさまざまな活動を展開する日高洋祐さんに、MaaSについて教えていただきました。

 

「言い換えれば、スマートフォンひとつであらゆるモビリティサービスを自由に使えて、さらにそのデータの活用で渋滞解消やシームレスな移動など、都市としてのレベルも向上させるのがMaaSです」。

 

モビリティサービスとは自動車(四輪、二輪)、鉄道、バス、トラム、タクシー、フェリー、航空、自転車など移動に関する乗り物全てを指します。ライドシェア(自動車の相乗り)をMaaSと呼ぶ事例もありますが、ライドシェアはMaaSを構成する重要なモビリティサービスのひとつではあるものの、MaaSに包含される関係にあるのだそう。先進事例としてはフィンランド・ヘルシンキのベンチャー企業MaaS Globalが提供する、経路検索・予約・モバイル決済までがまとめてできるプラットフォームサービス「Whim」が注目されています。では、日本ではMaaSの実現に向けてどのような取り組みが始まっているのでしょうか。

 

「鉄道会社(JR東日本、東急電鉄、小田急電鉄)は、既にそれぞれMaaSの取り組みを経営構想に入れ、実証実験をスタートさせています。また自動車業界ではトヨタ自動車の社長、豊田章男氏がCES2018においてMaaSに取り組むと宣言されました。国としても成長戦略にMaaSが入り、経済産業省と国土交通省もMaaS研究会や実証実験への取り組みをスタートさせています」。

 

「これまでそれぞれの交通サービスが独自に進化してきましたが、ICT(情報通信技術)により“繋がる”という現象が起こります。その結果、輸送障害時の混乱をなくせたり、渋滞で無駄な時間を過ごすこと、タクシーが見つからずに不安になるなど、交通に対する不安や不満が圧倒的に減少します。それらを基盤として移動がスムーズかつ気軽にできるようになると、サービスの定額制もしくは無料化の流れがきます。インターネットが従量制から定額制・無料になったとき、インターネットで人と情報を繋いだGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)をはじめとする企業の価値が圧倒的に上がりましたよね。私たちはBeyond MaaSと呼んでいますが、MaaSの先にある未来としてそんな流れが移動の世界に訪れると、移動の前後にある場所やモノの移動、サービスの提供の在り方自体が変わって、全く新しい都市や生活像が訪れるのではないでしょうか」。日高さんは、MaaSの実現により訪れる未来について、そう教えてくれました。

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