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2020.02.06

F.I.N.的新語辞典

第55回| インフルエンサー採用

隔週でひとつ、F.I.N.編集部が未来の定番になると予想する言葉を取り上げて、その言葉に精通するプロの見解と合わせながら、新しい未来の考え方を紐解いていきます。今回は「インフルエンサー採用」をご紹介します。

OWNDAYSの選考フローイメージ。画像提供:OWNDAYS

インフルエンサー採用【いんふるえんさーさいよう・Influencer Recruit】

TwitterやInstagram、FacebookなどSNSでの発信力や影響力が大きい人(インフルエンサー)を優遇して採用すること。応募条件、採用フローなどは企業によって異なる。

 

機能性、デザイン性の高いメガネやサングラスを展開するOWNDAYSも、インフルエンサー採用を取り入れている企業のひとつ。応募条件はTwitterまたはInstagramのフォロワー数が10,000人以上であること。発信内容などの審査を通過した応募者は、一次面接や筆記試験などが免除され、最終面接に進むことができます。さらに入社後は各職種の基本給与に加え、50,000円のインフルエンサー手当が支給されます。導入の背景を、ブランディンググループPRESS の重村真実さんに伺いました。

 

「OWNDAYSでは、かねてよりスタッフのSNS活用を奨励しており、業務中でも職務規定に含まれるメディア利用ルールを順守していれば、商品やサービスはもちろん、人事制度に関すること、職場での様子などを、自由に発言し投稿できる環境を整えてきました。ソーシャルメディアによる情報があらゆる場面で多大な影響を及ぼすなかで、弊社に関する情報も会社からのお知らせだけではなく個人の視点を通じて“生の声”として自由に発信することで、OWNDAYSというブランドがより馴染み深いものになり、多くの方から認知されるきっかけになればと考え、2017年10月からインフルエンサー採用を始めました」。

 

これまでにインフルエンサー採用スタッフとして入社したのは3名。例えばInstagramの場合、商品や店舗、社内イベントなどOWNDAYSに関する一般投稿を月に2回、ストーリーズ投稿を月に4回など、通常業務以外のSNSでの活動を行っています。「本人が実際に商品を着用して投稿するパターンが多いですね。投稿内容は会社が決めるのではなく、全て自由。特にInstagramでは、アカウントの世界観を大事にしている方が多いので、投稿のトーン&マナーは自身のスタイルに合わせてもらっています」。

 

実のところ、「本採用に関して、ご意見を賛否両論いただいている」と重村さん。しかし「機械化が進み、役割を失う職種も出てくるかもしれない中で、求められる人材は周囲が認める魅力があり、信頼・関心を持たれる人です。彼らの意見が物事を決める基準となり、購買の動機に繋がることもあります。だからこそインフルエンサーは“たくさんの人から信頼される人”として、評価に値すると考えています」と、インフルエンサー採用の意義について話してくれました。「インフルエンサー採用スタッフの投稿を見てご来店いただき、同じ商品を購入いただくことはもちろんですが、SNSを活用するスタッフがインフルエンサー採用スタッフに投稿内容の相談をするといった動きもあり、社内全体でのSNS活用がますます盛んになったことも嬉しい効果ですね」。

 

今や、私たちの生活と切り離せないものとなったSNS。今後インフルエンサー採用は、ファッション業界のみならず、食やインテリアなどの幅広い分野で広がっていくかもしれません。

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