2018.07.22

F.I.N.的新語辞典

第14回 エクセルギーハウス

毎週一つ、F.I.N.編集部が未来の定番になると予想する言葉を取り上げて、その言葉に精通するプロの見解と合わせながら、新しい未来の考え方を紐解いていきます。今回紹介する言葉は、都市の中で森のような機能を果たす家づくりの形式、「エクセルギーハウス」です。

エクセルギーハウス【えくせるぎーはうす/exergy-house】

例えば、夏は雨水を床下のタンクに貯蔵し、天井上で蒸発させることで涼を得たり、冬には雨水を太陽光で温めて床下に戻し、建物を温めたり……。エコハウスの一種として近年注目を集めています。

今回は、住まいにおけるエクセルギーの活用方法を長年提唱してきた建築家の黒岩哲彦さんにお話を伺いました。

「エクセルギーハウスで暮らすことのメリットは数多くあります。一般でいう電気やガスなどのエネルギー利用が少なくて済みますし、『自分が住まう』ということだけで環境に貢献ができる。街の中で自然の恵みを活かした豊かな暮らしができるというのは、通常の住まいでは感じ難い体験ではないでしょうか。」

さらに、エクセルギーハウスの機能は現状の暮らしや環境だけに、その効果を発揮するわけではないと黒岩さんは言います。

「例えば、現在では経済的であるとされているエアコンは、電気エネルギーを投入することで室内の冷房を得ていますが、エアコン自体を動かす電気エネルギーと、室内を冷やすエネルギーが合わさったエネルギー量は、熱エネルギーを生み出し、実は室外環境を暖房しています。環境経済学がさらに進んだ将来には、室外環境に吐き出された熱を中和させるための費用が消費者に付加するようになるかもしれません。

その時代に向けて、今は農業や自動車産業など、私たちの環境を取り巻くさまざまなシーンでのエクセルギー活用の技術が動き始めていますが、エクセルギーハウスはその先行事例のひとつなんです。」