2018.04.22

F.I.N.的新語辞典

第1回 睡眠負債

毎週一つ、F.I.N.編集部未来の定番になると予想する言葉を取り上げて、その言葉に精通するプロの見解と合わせながら、新しい未来の考え方を紐解いていきます。今回紹介する言葉は、近年話題の「睡眠負債」です。

睡眠負債【すいみん・ふさい/sleep debt】

 日々の睡眠不足が借金のように積み重なり、心身に悪影響を及ぼすおそれのある状態のこと。世界初の睡眠障害診断治療施設「スタンフォード睡眠障害クリニック」を開設した、ウィリアム・C・デメント教授によって提唱された言葉です。

 この言葉は2017年流行語大賞にノミネートされ、注目を集めています。現代人のほとんどが抱えていると言われる睡眠負債。負債が積み重なることで、生活や仕事の質が低下し、うつ病、がん、認知症などにつながるおそれがあるとされています。その原因について、睡眠コンサルタントの友野なおさんに伺いました。「大きな原因は、インターネットの普及にあります。パソコンや携帯で業務を行なうことが当たり前の時代になったため、場所や時間を気にせず仕事ができるようになりました。こうした環境の変化が、睡眠時間の減少に大きく関わっています」。

 睡眠を見直したことでダイエットに成功し、体の悩みが解消されたという友野さんは、睡眠の大切さについて「睡眠負債を解消することで、内分泌系のリズムが整いストレスの解消につながります。また、日中の学習は寝ている間に脳内で整理され定着するので、記憶力も上がるんです。日々のパフォーマンスが高まり、子供は学力向上、大人はビジネススキルの向上が期待できます。そのように、個々の立ち位置から考えて、負債を溜めない生活が定番になるといいですね」と話します。

これから先、睡眠負債と向き合うことは、健康のためだけではなく、自分の理想を叶える一つの手段としても用いられるでしょう。

2017年度版「F.I.N.」の特集では、友野なおさんを含める睡眠の研究者3人と一緒に、睡眠の未来について考えました。