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2019.04.04

谷中日記

第12回| 「お便り」が届けられる、お惣菜とお弁当と珈琲のお店

谷中には、ランチに出かけてもグッとくるお店があります。
仕事の手を止めてランチに出かけて、そこで三世代の家族が楽しくランチの時間を過ごす風景を見る事は、私の社会人生活で初めての出来事でした。

暖かさ、清潔さを感じる店内には満員のお客様。
この店には離乳食まで用意され、子供づれのお客様が溢れています。
でも、ちっともガチャガチャしていない。
ここでの時間を大切にしようとしているのは、お店だけでは、ありません。

 

このお店には、「食の郵便局」が設けられており、
訪れたお客様が食べた食材の感想を、手紙で生産者の農家に届けられるようになっています。

お食事を頂く側は生産者の見える食材は安心ですし、作り手も食したお客様の生の声が届くことは、励みにもなり、「さらに良い物を作ってやろう!」という向上心にも繋がります。

まさに「食」を通じてのコミュニケーション。

しかしながらお店のスタッフは、過剰な進言やサービスはあえて封印し、気づきやここでの過ごし方はお客様を信じて委ねている感じです。
来店されるお客様も、そういった取り組み、心配りを十分に理解され、この店での時間を、大切に意識されているように感じます。

食材も、日常食しているものばかりなので、容易に比較する事ができます。
お味噌汁も、ちゃんと出汁を取り、鹿児島の吉村醸造のお味噌で作るとこんなにうまい!
提供する側が、お客様の事を思い、日本全国走り回って見つけてきた食材を生かしきるお料理。
これが、本当の意味での「ご馳走」ではないかと感じる、谷中のランチタイムでした。

(未来定番研究所 出井)

TAYORI

東京都台東区谷中3-12-4 HATSUNE-AN 1

http://tayori-osozai.jp/

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