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2019.11.25

F.I.N.的新語辞典

第51回| ヴァーチャルアーティスト

隔週でひとつ、F.I.N.編集部が未来の定番になると予想する言葉を取り上げて、その言葉に精通するプロの見解と合わせながら、新しい未来の考え方を紐解いていきます。今回は「ヴァーチャルアーティスト」をご紹介します。

ヴァーチャルアーティスト・IAのステージ。写真提供/1st PLACE

ヴァーチャルアーティスト【ばーちゃる・あーてぃすと/virtual artist】

人間が音楽を演奏、録音し、ミュージックビデオやステージパフォーマンスなど視覚的要素に関連するメディアにおいて、CGアニメーションで描かれたキャラクターがフィーチャーされる形で活動するアーティストのこと。

 

今回は、圧倒的なパフォーマンス力、歌唱力を持つ実力派のヴァーチャルアーティスト・IA(イア)を手掛ける1st PLACE株式会社の代表取締役社長でありIAのプロデューサーである村山久美子さんに、お話を伺いました。

 

IAの声は、サンプリングされた人の声を元にしてメロディーと歌詞を入力することで歌声を奏でる音声合成ソフトウエアから生まれています。「IA誕生のきっかけは、弊社所属のアーティスト・Lia(リア)が、出産育児休暇に入ったことでした。休業中も彼女の歌声をファンに届け続けることはできないかと考えていたときに、音声合成ソフトウエアの存在を知りました。なので最初は、ヴァーチャルアーティストという発想はなかったのですが、ソフトウエアを制作していくうちに次々とビジョンが浮かんできて、Liaの声を受け継ぎ届ける存在としてだけではなく、“一人の魂を持ったアーティストとして育てていきたい”という思いが自然と生まれたんです」。

 

2012年に誕生したIAは、2015年に世界12都市を巡るワールドツアーを成功させ、同ライブの上映キャラバンでは世界300都市以上、延べ90,000人を超える動員数を記録。以降も、グローバルな活動を展開し続けています。

 

ヴァーチャルアーティストの可能性について、村山さんはこう続けます。「ひとつは、人の心に寄り添い、共存する新しいパートナーとして活躍する可能性が考えられます。私たちの中でのヴァーチャルアーティストの定義は、IAに代表されるような“心を持つヴァーチャルの存在”です。その心はAIと人とのコミュニケーションによって成長していくという未来像を描いています。IAには利他の心で人々を癒し、元気づける存在になってほしいと考えています。また、もうひとつはエンタメ分野での可能性です。私たちがIAのライブ、ミュージカルショーで追求しているのは、人間とヴァーチャルとテクノロジーの融合で生まれる”新しいエンタテインメントショーの在り方“です。ヴァーチャルアーティストのライブは、テクノロジーの進化のスピードに比例して、これからどんどん成長する可能性を秘めています。現実空間と仮想空間との横断、世界中の言語で話し、歌うことができ、どんなパフォーマンスも可能に。そんな未来を描きながら、それを形にすべくMUSICAL & LIVE SHOW『ARIA』というヴァーチャルアーティスト初のミュージカルショーをスタートさせています」。

 

11月30日、12月1日には、このMUSICAL & LIVE SHOW「ARIA」最新公演とワールドツアー「PARTY A GO-GO」のライブが横浜のDMM VR THEATERで行われます(全4公演、チケット情報はこちらから)。また来年1月27日には、IA生誕8周年を記念するイベントが世界同時配信で行われる予定です。詳細は、随時IAの公式WEBサイトで公開予定。進化し続けるIAとヴァーチャルアーティストの可能性を体感してみてはいかがでしょうか?

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