2018.10.29

F.I.N.的新語辞典

第26回 モバイルペイメント

毎週一つ、F.I.N.編集部が未来の定番になると予想する言葉を取り上げて、その言葉に精通するプロの見解と合わせながら、新しい未来の考え方を紐解いていきます。

今回ご紹介するのは、モバイル端末を利用した決済の総称「モバイルペイメント」です。

モバイルペイメント(モバイル決済)【もばいるぺいめんと/Mobile Payment】

モバイル端末を使用する料金の支払いや送金といった電子決済の総称のこと。非接触型ICカード、アプリ決済、キャリア決済などを利用して支払いを行います。今回は、モバイルペイメント市場が急成長を続けている、中国の対外経済貿易大学で金融経済の教鞭を執る西村友作教授にお話を伺いました。モバイルペイメントの普及によるメリットや可能性を具体的な活用例とともにご紹介いたします。

「年々、モバイルペイメントの利用を取り入れる企業が増え始めていますが、リアル店舗での買い物や公共交通機関(鉄道、バス、タクシーなど)といった現金を使用するシーンでの支払いは、全てモバイルペイメントに置き換えることが可能と言えます。

モバイルペイメントの日常的な利用によって現金を持ち歩く必要がなくなると、

・盗難の心配がなくなる

・支払いにかかる時間の短縮

・所持する現金の多寡に限らず買い物ができる(ATMに行く必要がなくなる)

・家計管理の容易化(支払い履歴がデータに残る)

・銀行口座情報なしで1円単位での個人間送金(お店での割り勘や遠方の友人とのお金のやり取りが容易になる)

といった、日常生活に直結したさまざまなメリットが生まれます。」

中国ではすでに存在する店舗やサービスだけでなく、新たなサービスの登場で市場が急激な拡大を進めているそう。データだけでなく、間近でその拡がりを体験する西村さんはモバイルペイメントにどのような可能性を感じているのでしょうか。

「「シェア自動車」、「無人ジムボックス」、「無人コンビニ」といったモバイルペイメントを前提とした新たなビジネスモデルが次々と生まれており、新規加入のスタートアップ企業の増加、ベンチャー市場の活性化を期待しています。また日本では自動販売機が代表的である、人を介さない無人消費市場のさらなる拡大も見込まれ、今後の日本における労働力不足問題の重要なソリューションの一つにもなるといった可能性も十分に考えられるのではないでしょうか。」

日常のちょっとした不便さの解消から社会的な懸念点の改善まで、世界的な拡大を続ける「モバイルペイメント」。その進化と可能性に今後も注目したいですね。