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梅がほころび始めた2026年1月31日(土)、第45回目の未来定番サロンが開催されました。未来定番サロンは未来の暮らしのヒントやタネを、ゲストと参加者の皆さんが一緒に考え、意見交換する取り組みの場です。
今回は「林家木久彦さんの落語と循環型生活のコツ」。世界でもっともサーキュラーな時代ともいわれる江戸時代に焦点を当て、長屋での会話や暮らしぶりなどを、木久彦さんの生き生きとした表現の落語で時空を超えたように楽しんだ後、「未来定番研究所オリジナル パターン・カード」を用いながら、江戸の循環型生活を現代にどう生かせるのかを参加者全員で考えました。
(文:大芦実穂 写真:西あかり)
江戸の暮らしや会話が楽しい噺を披露
林家木久彦さんが「未来定番サロン」に登場するのは、2025年6月以来、2度目です。前回は梅雨の季節に合わせた落語を披露してくださいました。[記事はこちら]今回はどんな演目で、私たちを江戸の世界へと誘ってくれるのでしょうか。
最初にテーマの、循環型生活にちなみ「サステナブル」にまつわる小話をしてくださいました。会場が笑いに包まれたところで、いよいよ江戸の暮らしの噺に。
【「締め込み」あらすじ】
ある泥棒が家の中に忍び込み、「締め込み」をするところから物語は始まります。盗んだ着物を風呂敷に包み、さあ逃げようとしたその時、なんと家の旦那が帰ってきてしまいます。
慌てた泥棒は、とっさに台所の床下へ身を隠します。やがて風呂敷を見つけた旦那は、女房が駆け落ちを企んでいるのではないかと早合点。そこへ女房が戻ってきたことで、2人は大喧嘩に発展します。
怒った旦那が鉄瓶を投げつけると、中の湯が床下へこぼれ落ち、隠れていた泥棒はあわや大火傷。たまらず姿を現した泥棒が、夫婦喧嘩を仲裁する羽目になるのでした──。
会場は「次は何が起きるのだろう」と、木久彦さんの一挙手一投足に耳を傾けます。噺は思わぬ方向へと展開していき、思わず笑ってしまう下げで締めくくられました。
その余韻のまま、江戸の循環型生活を現代に生かすアイデアのタネを探る時間へ。
江戸の仕事に学ぶ、循環の知恵
冒頭は「江戸のお仕事クイズ」。フリップに描かれた絵を見ながら、どんな職業なのかを想像していきます。
ここで紹介されたのは、江戸の暮らしを支えていた6つの仕事です。
・ほうき買い…古いほうきを下取りして新しいほうきと交換。使えなくなった素材は、縄やたわしなどに作り替えられていました。
・古傘買い…古い和傘を修理して再利用。使い古された油紙ははっ水性があり、魚や肉を包む紙として重宝されていました。
・古着屋…着物だけでなく、帯や腰巻、ももひきなども扱い、仕立て直して小物などに生まれ変わらせたりもしていました。
・かまど師…かまどの修理やメンテナンス専門の職人。家々を回って仕事していました。
・灰買い…台所のかまどの灰を集めて買い取り。灰のアルカリ性を生かし、土壌改良や藍染の色止め、酒造りの工程などに利用されていました。
・下肥買い…排泄物を買い取り、農作物の肥料として再利用する仕事。都市と農村を繋ぐ、重要な循環の役割を担っていました。
絵をヒントに、早押しクイズのような盛りあがりを見せました。
パターン・カードで自分ごとにして考える
次は、「未来定番研究所オリジナル パターン・カード 未来のタネ」を用い、江戸と現代の循環型生活について考えていきます。
[カードの詳しい説明はこちら]
参加者は3つのグループに分かれ、各グループの代表者が、先ほど紹介された6つの職業のなかから1つを引きます。その仕事が江戸の暮らしのなかで果たしていた役割を、パターン・カードを手がかりに整理し、どのカードのパターンと繋がりそうかを話し合いました。
そして、それらの職業を現代に生かすとしたら、どんな可能性があるのかを考えます。
「灰買い」を引いたチームは、ごみ焼却場で出る灰の活用に着目。さらに、灰になる前の段階であるフードロスにも目を向け、循環の仕組みを広げて考えました。
「古着屋」を引いたチームは、古着売買サービスでの流通に加え、服の切れ端を雑巾やはたきとして使うなど、日常のなかでの再利用のアイデアを挙げました。
最後に、参加者全員が「明日からできそうなこと」を発表。カードを選び具体的な行動について共有しました。
「今日食べきれる分だけ買うようにします」
「食品ロスを減らしていこうと思います」
「欲しいと思っても、すぐに買わず一度立ち止まって考えるようにします」
「捨てる前に、別の使い道を想像してみようかな」
など、日頃から大切にしていることや、改めて意識したいことがそれぞれ、具体的な言葉にされていきました。
参加者には記念にパターン・カードの内容が詳細に書かれた冊子と今回限定の木久彦さん千社札、希望の方には江戸のお仕事シールもプレゼント。
終盤には、木久彦さんご自身のお話も。
「実は、私の着物は祖母から譲り受けたものが多いんです。今日使っている手ぬぐいも、芸者をしていた祖母からもらったものなんですよ」と、身近な「循環」のエピソードを披露してくれました。
「循環という視点で暮らしを見てみると、実はそんなに大変なことじゃないんですよね。何か特別なことをしなくても、ちょっと立ち止まって考えてみるとか、少し意識を向けるだけで、無理なくできる。循環する暮らしって、そういう小さな意識の積み重ねなんじゃないかなと思います」
そんな木久彦さんの言葉で締めくくられ、江戸を感じる落語で始まり、江戸の暮らしにヒントを得て循環型生活のコツを考える未来定番サロンはお開き。江戸の暮らしに思いを馳せながら、現代に通じる循環生活を見つめ直す、素敵な機会となりました。
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未来定番サロンレポート
第45回| 江戸の暮らしはサステナブル?落語からひも解く循環型生活。
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