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2020.04.10

谷中日記

第43回| 谷根千の坂③

ご存知、谷中といえば「夕やけだんだん」。

普通は右に向かって、名物の階段を下り、谷中銀座商店街へ向かう方がほとんどかと。

でも今日は、いわゆる「じゃないほう」、左の坂を下ります。

左手にはお寺と墓地、右手には住宅地。ゆるやかなカーブが心地いいです。

この坂の名前は「七面坂」、近くの延命院七面堂に由来するとのこと。

 

よく見ると左右に、坂の標識が2つ。

左手は台東区、右手は荒川区の両教育委員会が、同じ七面坂の説明をしています。

そう、この坂は台東区と荒川区の境界なのです。

人為的な坂が行政を区分けする境になった一例ですね。

近くの不動産屋さんに、「区によって住みやすさは変わりますか?」とうかがうと、

「何も差はないよ」と当然のご返答。

生活者の視点でいえば境界はない、ボーダーレスということか。

わずか5m程度では、何ら境をつくることはできないのである。

「でもこの先300m下は文京区なんで、そこから先は違うかな」

「お兄ちゃん、子供育てるならそっちだよ」と、おまけの説明までいただきました。

 

(未来定番研究所 富田)

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