二十四節気新・定番。
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2018.12.20
定点観測日記<全7回>
各ジャンルで、独特の視点とセンスで活躍する方々。そんな彼らに、あるテーマで1ヶ月間毎日記録をつけていただき、その日々の習慣や気づきから見えてくる未来の暮らしのヒントを探ります。 12月にご登場いただくのは、Food Hub Project の支配人・真鍋太一さん。毎日が仕事などの忙しさに追われていると、きちんと食事をとり、人と会話をする時間をとることは意外と疎かにされてしまいがちな現代。日々のごはんと、ひとと、暮らしの時間を大切に過ごす真鍋さんの日常には、忘れていた大切な時間の過ごし方のヒントが隠れているはずです。今回は「ごはんと、ひとと。」をテーマに記録してもらった、1ヶ月間の日記をご紹介いたします。
真鍋太一/Food Hub Project Inc. 支配人 COO/monosus inc. プロデュース部 部長
1978年愛媛県生まれ。2014年3月、妻子と共に徳島県神山町に移住。社会とつながり“暮らすように働く”ことを企業の価値づくりに役立てるべく家族と友人を実験台に検証中。2016年4月より中山間地域の農業を次世代につなぐプロジェクト「Food Hub Project」を、神山町役場、神山 つなぐ公社、モノサスと共同で立ち上げ、支配人を務める。同プロジェクトが、2018年グッドデザイン 金賞(経済産業大臣賞)を受賞。
10月29日(月)
屋台のラーメン@東京新宿
料理長の細井とごはん。
打ち合わせを兼ねた食事を2本こなし、なぜかシメにラーメンを食べた。 ただ、都心の屋台を体験してみたかっただけである。
10月30日(火)
〈祥瑞〉@六本木
WELCOMEの広報の金内さんとごはん。
この人との食事はいつも急遽決まる。グッドデザイン賞の展示の設営の後に、パナソニックのデザイナーの友人と一緒に3人で食事。急遽予約できたお店で、熟成肉のステーキをがっつりいただく。
10月31日(水)
〈月世界〉@渋谷
Food Hub Projectのメンバーとデザイナーの石橋さんとごはん。
今、神山でやっている農業の会社でグッドデザイン賞の金賞をいただいた。その授賞式の後、チームでお祝い。アートディレクターの石橋さんとは、かれこれ15年くらいの付き合いになる。Food Hub Projectの立ち上げを通じてお互いに成長できたと最近感じる。
11月1日(木)
D&Department 東京 @九品仏
D&Departmentのみなさんとごはん。
D&Department 社内勉強会でお話をさせていただいた。聞き手は、相馬さん。勉強会の後に、神山の食材を使ったセルフサンドイッチをみんなで食べる。シンプルだけど、自分で仕上げて、みんなで食べるのは、あらかじめ用意されすぎたものより色々伝わると思う。
11月2日(金)
某ラーメン屋 @徳島市
デイブと農業長とごはん。
シェフ・イン・レジデンスで長期滞在中のNYの料理人デイブが一ヶ月の里帰りを終え、また日本に戻ってきた。おかえりデイブ。
11月3日(土)
自宅 @神山
久々に自宅に戻り朝ごはん。
「なんで写真とってんの?」の娘の顔。
11月4日(日)
自宅 @神山
世界一のレストラン Nomaのシェフの Rene Redzepをご存知だろうか。
彼が近所の温泉の近くにいたので話しかけたら「夜ご飯はどこで食べたらいいのか?」と聞かれた。
DAVEと家で鍋をやる予定だったので「一緒に食べる?」と言ったらついて来た。妻の手料理を食べ、娘は得意の卵焼きを作り食べてもらっていた。Daveはサラダを作っただけで料理はしなかった(笑)。
11月5日(月)
〈かま屋〉@神山
メンバーとご飯。
月・火曜日は、神山のお店は休み。でも次の日の営業に向けて仕込みは始まっているので、みんな働いている。調理長が、ささっとまかないを作ってくれたのでみんなで昼ごはん。
11月6日(火)
〈四宮蒲鉾〉@徳島市
メンバーみんなで工場見学。
無添加の食材にこだわりぬいた練り物屋の四宮蒲鉾さん。揚げたての竹ちくは、また格別。
11月7日(水)
某中華料理店 @代々木
高校時代の親友たちとご飯。
高校からかれこれ20年以上の付き合いの仲間と中華。両端のおじさんたちは、今は同じ会社。この集まりだとある程度の場末感のある店に行きたくなるのは、育ちの悪さか。家族と言える仲間がいることに感謝。
11月8日(木)
〈The Blined Donkey 〉@神田
尊敬する人たちとのご飯。
尊敬する恩師(中央)と、尊敬するシェフ(右)の料理を、尊敬する料理人(左)に提供してもらって食べる。2011年からの付き合いで、働き方や暮らし方も、みんな大きく変わった。でも、夜な夜な語り合う内容は、かわらず熱くて濃い。
11月9日(金)
モノサス オフィス @代々木
メンバーみんなでご飯。
東京で勤めている会社の周年パーティ。ここでもやはり自分たちで好きに食べるスタイル。手巻きでもいいし、海鮮丼でもいい。働き方とか、やりがいの見つけ方も、組織にいながらもある程度の自由があるといいなと思う。
11月10日(土)
〈Pho321〉 @千駄ヶ谷
東京の仲間とご飯。
今年、神山のお酒を復活させるためにクラウドファンディングを実施した。支援してくれた東京の仲間との夕食会。お酒の会でも、子供から大人まで楽しんでもらいたいのは、我々の一番のこだわりでもある。
11月11日(日)
〈石橋家〉 @千駄ヶ谷某所
友人夫婦と犬と猫とご飯。
今、Food Hub Projectで手がけている尾道のプロジェクトの核となる商品(おにぎり)の試作をかねた食事会をアートディレクターの石橋さんと一緒に。この試作会のおかげで新たな商品現わる。
11月12日(月)
自宅 @神山
Food Hub Projectのメンバーと家族とご飯。
DAVEに、餃子の作り方を教えてほしいと言われて開催された、餃子パーティー。わが家では、餃子の皮に米粉をいれるのでもちもちの仕上がりになる。鉄鍋で未だにうまく餃子が焼けないのが悩み。作りすぎたし、食べ過ぎた。
11月13日(火)
〈風月〉@尾道
アートディレクター 石橋さんと深夜のご飯。
神山から東京を経由(?)し、その夜、尾道に移動。石橋さんは、Food Hub Projectを一緒に立ち上げてきた、と言っても過言ではない存在。尾道のプロジェクトでまた彼と仕事をできるのがうれしい。ちなみに、このうどん屋さんは呑んだ後、深夜に行く感じのお店で、大きめのおいなりさんが好き。
11月14日(水)
@尾道某所
尾道のプロジェクトメンバーとご飯。
映画のような夕日を見た後に、映画のセットのようなお店でご飯をごちそうになった。この後、私は映画に出てくる酔っぱらいような(?)大失態をしでかした。関係者のみなさん、本当にすみませんでした(汗)
11月15日(木)
@尾道某所
プロジェクトのメンバーとご飯。
打ち合わせをしながら近所のお店のフィッシュバーガーを食べる。地域の食材を扱う食の新しいプロジェクト。来年春頃には尾道でスタートだ(時間がない)。
11月16日(金)
自宅 @神山
自宅にもどり、家族でご飯。
わが家では定番のレタスのみぞれ鍋。この冬、いくどとなく登場しているメニュー。今は、色々な地域のポン酢を試し中。
11月17日(土)
城西高校神山分校@ 神山
Food Hub Projectが学科改正から関わっている農業高校の、創立70周年式典に参加。
高校生が授業で育てた芋を使い、自分たちで作った記念品のお菓子。来年から新しい学科「食農プロデュースコース」がスタートし、全国から学生たちが集まる予定。
11月18日(日)
自宅 @神山
久々に家族でご飯。
パスタが食べたいとの子どもたち。炭水化物祭り。 自分たちの会社で育てているレタスがものすごく美味しい季節だ。
11月19日(月)
自宅 @神山
家族とご飯。
ご近所さんからいただいた、アメゴを塩焼きに。農業長の祖父が育てたピーナッツをゆでピーに。親父が釣ってきたイイダコを煮付けに。家ごはんが今は一番美味しい。
11月20日(火)
自宅 @神山
家族とご飯。
久々に料理。油淋鶏。タレが美味しすぎて水菜との相性が抜群だった。子どもたちと即完食。レシピは、『「ビオファームまつき」の野菜レシピ図鑑』。わが家のバイブル的存在。
11月21日(水)
自宅 @神山
家族とご飯。
実は世界で一番好きなのが、酢豚(黒酢派)である。息子は丼ぶりにしてかきこんでいるが、私はご飯を白いままに、黒酢のタレをたっぷり絡めながら食べるのが好きだ。妻が作ったのは、玉ねぎシャキシャキのものだが、野菜がたくさん入っているのもいい。
11月22日(木)
4K・VR徳島映画祭 @神山
100名のご飯。
この日、神山で行われている映画祭のオープニング式典の料理をFood Hub Projectで担当させていただいた。ブルックリンからのシェフ DAVEが全国から集まる映像関係者に、神山の食材をふんだんに使ったイタリアンを振る舞い好評を得た。(現場がカオスだったので、料理の写真が手元にない…)
11月23日(金)
〈まちのシューレ963〉@高松
いろんな人と、娘とご飯 高松にあるライフスタイルショップ〈まちのシューレ963〉で開催された、「うつわ祥見」の祥見さんの新米とめし碗のイベントに娘と参加。
料理は、Food Hub Projectの料理長・細井が担当させていただいた。娘が高台の高さについて自分なりの意見をもっていたのが面白かった。
11月24日(土)
〈かま屋〉@神山
神山ご飯のおとも自慢大会 2018 秋
地元のお母さんたちとご飯。
「神山の味」を次につないでいくプロジェクトとして、地元のお母さんたち9人に、13品のご飯のおともを作ってもらってみんなで食べた。ご飯も私たちが育てたお米の食べ比べ。なによりも、今回お世話になったお母さんたちが誇らしげだったのが嬉しかった。
11月25日(日)
自宅@神山
家族とご飯。
生春手巻きは、高知の陶芸家 小野哲平さんの自宅でごちそうになってからのわが家の定番。ライスペーパーは常備している。野菜もたくさん食べられるし、料理する時間があまりない時にも重宝する様子。ライスヌードル(ビーフン)を入れるのがおすすめ。息子は「カシャ!」と言いながら写真を撮っている。
11月26日(月)
〈かま屋〉@神山
フードハブ サンクスギビング 家族の晩餐 by DAVE。
シェフ・イン・レジデンスで長期滞在中のデイブが、Food Hub Projectのメンバーみんなのために七面鳥を仕入れたいといい出したのが一週間程前。料理長の細井が、高知の知り合いから教えてもらって上質の鳥を仕入れてくれた。彼の調理法はワイルドだが、味は繊細。全員食べ過ぎたと思う。働くメンバーも増え責任も大きいけど、つくり手たちとこういった語らいの時間を持てるのは、この上ない幸せ。
11月27日(火)
自宅@神山
ひとりでご飯。
わが家のご飯は18時からというのが定番。今日は遅く帰ったので、ひとり鍋。もちろん家族でのご飯が一番だが、一人でチビチビやりながら、家でご飯をつつくのも好き。
11月28日(水)
自宅@神山
家族でご飯。
娘は食いしん坊だ。『美味しんぼ』を読破し、ことあるごとに「山岡さんは、」と食べることにまつわるウンチクを語っている。この日は、出汁が染み込んだぶり大根の大根を食事のシメに食べて満足気だった。
毎日の食事の記録とコメントありがとうございます。そして2018年度グッドデザイン金賞おめでとうございます。「美食」と「生存の食」の真ん中の「日常の食」を良くしていったら地域課題もよくなる、「地産地食」のフードハブ・プロジェクト。神山・尾道・東京と飛び回っていても、「大切な」ご家族、友人、一緒に働いているメンバー、師匠、旅人との「日常の食」はどれも豊かでとても暖かい。老若男女みんなで食べる「日常の食」を通してコミュニティがますます濃く、未来に拡がっているのが見えてきました。(未来定番研究所 安達)
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