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2018.12.12

空想百貨店。<全17回>

第6回| もう中学生さんが考える、売り場の名前

様々なECサイトの登場、テクノロジーの進化により、買い物環境は日々変化しています。リテールビジネスの店舗はこれから、どんな場所になったらいいのでしょう。

私たち「未来定番研究所」は、大丸松坂屋百貨店の部署のひとつとして、未来の百貨店のあるべき姿を日夜考えています。この企画では、多様なジャンルで活躍するクリエイターの皆さんの力をお借りして、未来の百貨店を自由に空想してもらおうと思います。

今回お招きしたのは、お笑い芸人のもう中学生さん。段ボールを使ったネタと独特のキャラクターで笑いを生み出す、もう中学生さんに、「これからの百貨店がどうあったら面白いか」、アイディアをいただきました。

(イラスト:もう中学生)

「洋服売り場」とか、「紳士服売り場」「日用品売り場」っていう名前が付いていると、そこに用事がない人は足を運ばないですよね。何が売っているのか全然わからないような名前にしてみるのはどうでしょう。例えば「ハーモニック」「プリンセスフューチャー」「ヘラクレスヒーロー」……。何売り場なのか全然予想もつかないので、なんとなく行ってみたくなりませんか? そこでは「なるほど、これがハーモニックか!」と思わせるセレクトをしていてもいいし、「なんでこれがヘラクレスヒーローなの!?」と思われるものでもいいんです。答えは明かさず、ただ不思議な売り場の名前が並んでいるんです。ほかにも「コーンポタージュオープン」「シースルースルー」「スーパーロンリネス」「スティックシュガー」とか(笑)。なんだろう、行ってみたいと思わせたら勝ちですね。「サラダバーマカロニ」とか「クラクションオペレーター」とか……どんどん浮かんできます!

あと、僕の得意な段ボールネタを生かして、百貨店の中に観光地に行ったような写真が撮れる、顔出しパネルを作るのはどうでしょうか? 温泉地とか遊園地とか、春だったら満開の桜、秋だったら紅葉など、季節ごとのご当地顔出しパネルをずらりと並べる。非日常を味わえる百貨店で、観光気分も味わえたら一石二鳥だと思います。

 

Profile

もう中学生/お笑い芸

よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属のピン芸人。イラストを描いた段ボールや、自作の道具を使ったショートコントで知られる。また、『舞台ハイスクール!奇面組』やミュージカル『メリーポピンズ』にも出演し、話題に。

編集後記

小1時間という短い取材時間の中で、提案していただいたアイディア数はなんと10種類!日々ネタづくりで柔軟な発想のトレーニングをしている芸人さんだからこそ、なせるワザではないでしょうか。本文では紹介しきれませんでしたが、「館内音楽に合わせて、パフォーマーが演奏しているふりをしたり手をふったりするパフォーマンスをすることで、館内音楽がまるで生演奏のように聞こえる」というアイディアなども、心に刺さりました。どうしたらお客様に面白がってもらえるか?というヒントが詰まった「タメになったねぇ~」というお話が満載でした。
(未来定番研究所 菊田)

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