2020.11.30

わたしが通いたいお店

第6回 建築家・藤原徹平さんの場合

インターネットの普及により、どこにも出向くことなく、欲しいものが何でも手に入るようになった今の時代。一方で、「あの店員さんのおすすめを聞きたい」「このお店に行けば、必ず欲しいものに出会うことができる」などの理由で、どうしても足を運んでしまうお店が、誰にでもきっとあるのではないでしょうか。各界で活躍する方々に、頻繁に足を運んでいるお店をお聞きすることから、未来に残したいお店について一緒に考えていきます。

 

今回お招きしたのは、建築家でフジワラテッペイアーキテクツラボを主宰する藤原徹平さん。住宅から店舗の内装、図書館や美術展の会場構成まで幅広く手がける藤原さんに、お気に入りのお店を伺いました。

友人で建築家のアリソン理恵さんと夫のヴォーンさんが営むカフェ〈MIA MIA〉(マイアマイア)です。東長崎という、池袋から西武池袋線で2駅行ったところの、庶民的な商店街の一角にあります。僕の息子と理恵さんの息子がたまたま同じ小学校に通っていて、運動会で彼女に再会したことがきっかけで、このお店を知りました。その次の日、ちょうど東長崎で仕事があったので、息子を連れて〈MIA MIA〉に遊びに行ったんです。古いブティックをリノベーションしたお店は、新しいながらもどこか昭和な雰囲気。店内ではコーヒーやパンのほかにレコードやアートグッズも販売していて、一概にカフェとは定義できない不思議な空間でした。僕はコーヒー、息子はミルクを注文して、待つ間にしばし観察してみると、お客さんは地元のおじいちゃんから感度の高い10代から20代くらいの若い人達、近所にあるヨガ教室帰りに寄る人までさまざま。店の外には椅子が並べてあって、そこでお客さん同士がコーヒーを飲んだり話をしたり。地域のさまざまな人達が集まり、お店がその街に溶け込んでいく風景を見ていると、これこそ未来の地域社会の在り方だと、妙に納得しました。

それから、面白いのがヴォーンさんのキャラクター。僕が妻と電話をしている間に、ヴォーンさんがお客さんをほっぽりだして、僕の息子とエア野球を始めたんです(笑)。彼がオープンマインドで温かい人だから、人が自然と集まってくるのかもしれないですね。お店に通うことで、自分たちもその空間づくりに参加できる。そういうお店が好きです。

〈MIA MIA〉

住所:東京都豊島区長崎4-10-1

営業時間:日・月・水〜木8:00〜20:00(L.O.19:30)、金土8:00〜23:00(L.O.22:30)

定休日:火曜(祝日の場合は水曜)

 

Website:www.mia-mia.tokyo

Instagram:@miamia_tokyo

※コロナウィルスの感染症拡大予防のため、営業時間変更の可能性があります。実際の営業時間については、websiteをご覧ください。

Profile

藤原徹平さん

建築家。フジワラテッペイアーキテクツラボ主宰/一般社団法人ドリフターズインターナショナル理事/横浜国立大学大学院Y-GSA准教授。2001年より隈研吾建築都市設計事務所勤務、設計室長・パートナーを経て独立し、2012年から現職。主な作品に「等々力の二重円環」「代々木テラス」「稲村の森の家」「那須塩原市まちなか交流センター」など。著書に『7inch Project〈#01〉Teppei Fujiwara』(ニューハウス出版)、共著に『アジアの日常から』(TOTO出版)、『応答 漂うモダニズム』(左右社)などがある。

 

Website: www.fujiwalabo.com

Twitter:@fujiwalabo

編集後記

私もマイアマイアにお邪魔してみました。心地よいカジュアルなお店で、店員さんとお客さんが、友達同士のように日常会話を楽しんでいました。

お客さんと店員、カフェとショップ、カフェとバー、街とお店といった境界線が溶け合っていて、それが、堅苦しくない心地よい空気を作り出していました。それが、通いたくなるポイントかもしれません。

多様性を受け入れ、お互いを尊重しあえる世の中になるには、マイアマイアのような人と人との潤滑油になるような場作りの大切さを改めて感じました。(未来定番研究所 窪)