FUTURE IS NOW

時代の目利きたちの“今”から未来を探るメディア

FUTURE IS NOW

丸若裕俊 
丸若屋代表

1979年東京都出身。アパレル勤務などを経て、2010年に株式会社丸若屋を設立。プロダクトプロデューサー、プロジェクトプランナーとして、伝統工芸から最先端の工業技術まで今ある姿に時代の空気を取り入れて再構築、視点を変えた新たな提案を得意とする。14年、パリのサンジェルマンにギャラリーショップ〈NAKANIWA〉をオープン。17年春には渋谷に茶葉店〈幻幻庵〉を立ち上げ、世界に向けた“新しい日本茶カルチャー”の発信に取り組んでいる。
http://maru-waka.com/

共通質問1)あなただけが気いている、5年後には定番になっている「もの」や「こと」は何ですか?

 

日本茶が定番になって欲しいです。僕は日本茶に関わる仕事をしていますが、日本茶は洗練されていない飲み物だと思っています。それは味の問題ではなく、取り巻く仕組みが複雑で閉鎖的だから。本来は日常的な飲みものであるにも関わらず、堅苦しい決まりごとが多く、茶寮はマダムたちの社交場になっていて敷居が高いですよね。質ではなく、外側を良く見せることに重きが置かれているんです。一方日本酒は、上質なものであっても、立ち飲みや手酌というスタイルは咎められず、比較的に寛容ですよね。日本茶も、楽しむシーンやスタイルは自由でカジュアルになれば、もっと幅広い層に浸透していくと思っています。そして、その時に維持すべきなのが質です。僕たちの日本茶事業は、畑で茶葉を作るところから関わっています。それは、自分たちの求める品質を探求していくためには、セレクトでは限界があるからです。今年オープンした茶葉店〈幻幻庵〉には若い人が足を運んでくれるし、うちの茶葉を面白がってオフィスに取り入れるベンチャー企業も少しずつ出てきました。提供する側が思いを持ってやっていくことで、日本茶をカルチャーとして定着させるための兆しはさらに広がると思います。

 

 

共通質問2)あなたが幸せを感じる瞬間はどんな時ですか?

 

日本茶を通して、人と人をつなげることができた時です。レストランで何かの集まりやパーティーがある時、僕はたまにそのレストランに前もって行って、コースの途中でお茶を淹れさせてもらえないかとシェフに直談判することがあります。「この料理とこの料理の合間にお茶を淹れるのはどうですか?」と。半ばサプライズのような形で提供すると、場が和んだり、その場にいる人たちの会話がぐっと弾んだりするんです。レストランのシェフとも仲良くなれたり、そこでお茶を飲んで気に入ってくれたお客さんが、友人にプレゼントしたいからと声をかけてくださったりと、新しい関係が築けることもある。おいしいと言われるのはもちろん嬉しいですが、さらに、自分が淹れた日本茶がその場の+αとして機能すると、幸せだなと感じますね。

未来問答 No.32

きものを着たいと思うのはどんな時ですか?

日本の原風景に囲まれている時

未来問答 No.31

新しい年を迎え、新調したいものは何ですか?

開化堂の茶筒

未来問答 No.30

元日の過ごし方を時間割で教えてください。

実家で家族とゆっくり過ごす

未来問答 No.29

お正月の食の楽しみを教えてください。

友人宅での餅つき