FUTURE IS NOW

時代の目利きたちの“今”から未来を探るメディア

FUTURE IS NOW

ETC車両探知機

人ではありませんが、有料道路に設置してある ETCに未来の可能性を感じた季節がありました。僕は日常に埋もれた未来的なものをじっくり観察するのが好きで、メディアアートを見るようにETCを見学しに行きました。車の速度で通っても、正確に感知し、清算もできているなんて、とても良くできた仕組みだと思いませんか。あの仕組みは、未来の買い物にもとても役立つようになると思います。お店のレジにこの仕組みを導入すれば、混むこともなく、スムーズに進むことができます。 ETCが一般的に使われるようになったのは結構前ですが、当初から機能はほとんど変わっておらず、それは設計が本当に良くできているからです。今、最先端の技術ばかりに注目する人が多いけれど、ETCのように、シンプルで昔から変わらず今も通用する技術がたくさんあります。それを見習って、いろいろなものが進化し、増えていくといいですね。オーパーツ的な機能を果たしているETCをメンテナンスしているおじさんにも、未来を感じます。その機械の仕組みを熟知していて直せるから。僕は、機械のメンテナンスの仕事をしている人の中で、何人か未来から来ている人がいると思っています。銀色の上履きみたいな靴を履いてメンテナンスをしている人を、本当に見たことがあって、見ているこちらに気付き、「ヤバい!見つかった!」というような顔をしていたので、あれは本物だと思います。

1976年熊本県生まれ。AR三兄弟。公私ともに長男。通りすがりの天才。毎週金曜日22時からJ-WAVE『INNOVATION WORLD』が放送されている。『WIRED』日本版で毎号巻末に「THE WAY PASSED FUTURE」を連載。3月 文化庁メディア芸術祭 中国・厦門展 2018「CHARACTER』、4月 ワープする路面電車、5月 テクノコントなど、新作の公開が控えている。