FUTURE IS NOW

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鹿の解体

東日本大震災の翌冬くらいから始めて、もう6年近く続けています。震災時、私はライターの仕事をしていて、被災地を取材した時にたまたま同世代の鹿の猟師の方にお会いする機会がありました。その人の話を聞いているうちに、「野菜などは育てたことがあるけれど、肉などのタンパク質を自分でとったことがない」と気付きました。そこになぜか危機感を抱き、有事の際にできていた方がいいなと強く思ったんです。周りからは「タンパク質なら豆を育てるとかでもよかったのでは?」と不思議がられます(笑)。解体当日の具体的な流れは、猟師さんたちの狩猟に同行して、獲ってもらったものを解体させていただきます。一冬で解体するのは鹿以外の兎や猪などの動物も合わせて10頭弱ほどでしょうか。屠殺はかなり寒い中で行われるため、内臓から湯気が出る光景を初めて見た時は非常にインパクトがありました。猟期は本州だと11月15日に解禁され3月15日に終了と、まさに冬の時期だけしか楽しめない趣味です。今年の冬、まだ見たことがないトド猟や熊猟も見ることができたら嬉しいです。

1988年東京都生まれ。12歳まで義務教育を受けず、動植物と話したり野宿で日本一周したりと気ままに育つ。東日暮里の長屋でフリーのボディセラピ ストとして働いている。作家としても活動中。著書『家出ファミリー』(晶文社)など。
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