FUTURE IS NOW

時代の目利きたちの“今”から未来を探るメディア

FUTURE IS NOW

絵を描いている時

文学や音楽を含め、何もかもを視覚でとらえたいという気持ちが強いので、普段から文字や音楽から得た感覚を絵に描くことが多いです。例えば、合っているかはわかりませんが、音楽を聴いている時もさまざまな楽器音がどのように組み合わさって構成されているのかを考えていて、それが自分の中でイメージとして自然と浮かび上がってきます。それは文学、音楽、洋服、絵画が自分の中でクロスオーバーして捉えられているからだと思います。洋服を見ながら絵画のことを考えたり、音楽のことを考えながら文学のことを思ったり……。自分は視覚人間なので、視覚表現ではないメディアから視覚情報を得ている感覚が非常にあります。私は現代美術が1番好きで、それはあえていうならば、存在するメディアの中で最強ツールだと思っているからです。現代美術はコンセプトが重要視されているメディアです。作品で描かれている人間の感情について考えさせられたり、作品に対する評論を読んで、人生を見つめ直したりすることもできます。また、美術を通じて多様性を感じることもできます。ブロードキャストされていない現地の人の声を聞くこともできますし、私の中では、美術作品やそれについて書かれた本で世界の情勢を知るほうが、自分の中での浸透率が高いですね。

都内ギャラリーでのサポートをした後、2011年に代官山蔦屋書店のコンシェルジュに。自身も現代アート作家として現在も制作を続け、キュレーター業も務める。アート界の最先端をチェックすべく、国内外の美術館やギャラリーをチェックすることをライフワークにしている。