FUTURE IS NOW

時代の目利きたちの“今”から未来を探るメディア

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知らない人と話す

いろいろな場所に出向き、知らない人と話していると、自分だけでは見えてこなかった視点や価値観に出会えます。例えば、居酒屋で隣にいたおじさんと話すこともあるし、最近では、Facebookで間違えて僕にメッセージを送ってきた人と、間違えたと分かった後も「誰と間違えたんですか?」とやりとりを続行しました。そうして偶然出会った人と話すことは、現代でも大切なことだと思います。寺山修司という劇作家が、間違い電話をしてきた相手と友達になったというエピソードが好きなので、それがヒントになったのかも知れません。とにかく今は、SNSの普及によって相手のことを事前に調べることもできるし、相手もこちらを知った上で応答しますよね。それに加えて僕はたまにメディアに出たりもするから、情報も顔も全く知らない人と話すことは、実は滅多にないことなんです。僕にとって知らない人と話すことは、短い言葉で伝わる新しいプロフィールを探す旅でもあり、結果的に自分自身を多層的に知る機会にもなっていますね。

1976年熊本県生まれ。AR三兄弟。公私ともに長男。通りすがりの天才。毎週金曜日22時からJ-WAVE『INNOVATION WORLD』が放送されている。『WIRED』日本版で毎号巻末に「THE WAY PASSED FUTURE」を連載。3月 文化庁メディア芸術祭 中国・厦門展 2018「CHARACTER』、4月 ワープする路面電車、5月 テクノコントなど、新作の公開が控えている。