FUTURE IS NOW

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味噌

青江さんが実際に使われているという味噌数種類。普段は、亀戸にあるみその専門店〈佐野みそ〉で揃えることが多いのだそう。

味の決め手となる味噌は、常時4〜5種類、多い時で10種類は揃えています。味噌は人間関係と一緒で、東西南北のいろいろな種類を合わせることで、複雑でおいしい味わいが生まれると、料理の師匠から教わりました。夫婦にも同じことが言えますが、それぞれの個性をいかに受容するかで人生を味わう醍醐味や楽しさが違ってきます。味噌も人間関係もいろんな個性をミックスさせて、生涯をかけて自分だけの味わいを作っていくものだと思います。暑い時期に揃えておくのは、塩分が多めの愛知県三河の八丁味噌、仙台味噌、それから長野の信州味噌など。京都の白味噌に関しては、塩分が少ないため傷みやすく、夏場の常温での保存には不向きですが、逆に冬場は酒粕などが入っていて体を温めてくれるので欠かせません。それらをベースに料理を作っていますが、調合はその日の気温、体調、環境などによって異なるので、味見をしてみてベストと感じるものがその時のベストなんです。

1977年東京生まれ。企業研修などを行う株式会社なか道代表取締役。米国カリフォルニア州立大学にてMBA取得。料理僧として料理、食育に取り組む。ブラインドレストラン「暗闇ごはん」代表。ユニット「料理僧三人衆」の一人としてダライ・ラマ法王の講演会などで料理をふるまう。著書に『お寺ごはん』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『ほとけごはん』(中公新書ラクレ)、『サチのお寺ごはん』(秋田書店・監修)など。
http://www.ryokusenji.net/kaku/