共通質問１）あなただけが気づいている、5年後には定番になっている「もの」や「こと」は何ですか？

最近、本も旅も宿も食べ物も、星の数を見て選ぶのが定番ですよね。ここは5つ星だ、ここは4つ星だ、という風に。逆にこれから先は、誰かが決めた星の数に頼らずに、自分で選択していく時代になるんじゃないでしょうか。権威的な価値付けではなく、細分化した多様な価値観が定番になる気がします。例えば、「マツコの知らない世界」や「ブラタモリ」のようなテレビ番組は、ニッチなものの見方やマニアな人が面白いという価値観ですよね。観光地の寺社仏閣もいいけれど、坂道とか壁や塀も面白いという。私の周りにも「ビルが好き」とか「階段が好き」という人がいて、私もタイルや看板が好きなんです。みんな少しずつ、そういうことが面白いと気づき始めているんですよね。旅にしても、5つ星のレストランに行くのではなく、地方の立ち呑み屋、角打ち居酒屋、呑める定食屋など「自分が楽しいのはこれだ」と貫いている人が旅上手に見えるんです。そういう意味では、旅や街歩きは、自分が何を面白いと思うかの訓練にもなるんですよね。

共通質問２）あなたが幸せを感じる瞬間はどんな時ですか？

私が幸せを感じるのは「おいしくものを食べたとき」です。これ、「おいしいものを食べたとき」ではありません。おいしいものって個人の味覚や好みの違いもあるじゃないですか。私はグルメな舌の持ち主ではない分、おいしくものを食べているなぁと実感する瞬間が好きなんです。それを決めるのは人と環境。富士山の頂上で食べれば、カップラーメンもおいしいですよね。仲の良い友人と食べるご飯もそう。「おいしく食べられた」と思える瞬間には、この人と一緒にこんな雰囲気の中で過ごして、こんな話をしていたからおいしく感じられたんだ、という理由があるんですよね。