私の祖母は、父方と母方のどちらも、祖父が戦争で体を悪くしていたため、ほとんどひとりで子供たちを育ててきた強い女性なんです。特に、一緒に暮らしていた父方の祖母は、小柄な体で、ひとりで畑仕事をしていて、真夏に自分の身長以上の高さがある金柑の木に網をかけたり、夜中まで納屋で選別作業をしたりしていました。普段は90度くらい曲がっている腰も、畑仕事をする時はしゃんとしていて、たくましかったです。力こぶを見せてくれるような豪快さもありましたね（笑）。そんな祖母を見ていたら、自然と「かわいい」よりも「かっこいい」に憧れるようになって、自然体でいられることが一番きれいなのだと思うようになりました。それが今の、飾らないシンプルな美しさを目指す根っこにあります。