FUTURE IS NOW

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母の手料理

上京してからは、三が日にお正月らしい食事を取ることも少なくなってしまったのですが、実家の滋賀県に帰れる時には、なんといっても母のおせち料理を中心に時間が回ります。琵琶湖で獲れる川海老を使った佃煮や、ごまめ、丹念に巻かれた昆布巻、丁寧に炊かれたレンコンは定番ですね。母は米寿ですが、元気なことが嬉しいです。おせち料理をつまみに熱燗を飲みながら、久しぶりに集まった親戚や知り合い達と顔を合わせて「お互いに年を取ったなぁ」なんて言いつつ、近状報告をしたりするゆるい時間は、素晴らしく楽しいです。また、新年の挨拶でご近所の家を回る時に出されるお雑煮やおせち料理は行く先々で味や具材が違い、意外な組み合わせもあったりして面白いですね。

1957年滋賀県生まれ。76年、上智大学外国語学部フランス語学科に入学。 在学中より『本の雑誌』の配本部隊に参加、椎名誠が主催する「怪しい探検隊」にドレイ隊員として参加し、以降師事。 82年、マガジンハウスに入社。宣伝部を経て、『BRUTUS』、『Tarzan』、『olive』各誌を編集後、書籍部編集長に。本業の傍ら、執筆、映画プロデュース、短歌会の主宰など精力的に活動。退社後、フリー編集者兼主夫業を経て、2016年1月、『暮しの手帖』80号より編集長に就任。

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