FUTURE IS NOW

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患者さんの回復

アート関係に従事していた患者さんが、ストレスで体が動かなくなってしまいました。治療をしていたんですが、少しずつしか良くならなかったんです。その方がやっとひとりで暮らせるようになるまで回復したと思ったら、今度は引越し先の2階の住人の足音がうるさくて、それがストレスになり眠れなくなってしまったと言います。カウンセリングをしている時に、「アートって、悪い条件を良い条件にすることだよね。その足音に対して、考え方を変えてみたらどうだろうね」という話になりました。そのあと、足音がバレリーナの足音に聞こえてきたと言って、表情が穏やかになりました。症状も急激に良くなって、働くことができるまでに回復。今までは物事の悪い部分を探してしまっていましたが、その代わりに良い部分を探すよう意識の方向を変えたことで病状も良くなったんです。患者さんが回復する姿を見るのは大きな喜びですね。

1977年ブラジル生まれ。調布にある西洋医学と東洋医学(漢方)のクリニック『つゆくさ医院』の院長。アンビエント・ミュージシャンとして東洋思想に基づいた瞑想的な音楽も制作する。著書に『からだとこころの環境- 漢方と西洋医学の選び方』(ele-king books)。

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