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川久保ジョイさんの写真(3部作)

「千の太陽の光が 一時に天空に輝きを放ったならば ⅠⅡⅢ」川久保ジョイ/福島第一原発から30km圏内の土中に埋めたフィルムを現像した写真作品。/制作年:2013/2016/サイズ:186cm×149cm

3.11で被災にあった地域の土中にフィルムを埋めて、放射能で感光させたらあの色が出てきたという写真です。資生堂ギャラリーで見た時に惹かれてしまい、自分の家を建てるタイミングだったこともあり、思い切って買ってしまいました。とても美しい色ですし、作品性もすごくいいなと思って。私の家は全部無彩色なんです。そこにアートで変化をつけようかなと思ったんです。置き場所に関しては、そこだけあえてテクスチャのある壁にしたり、電気のスイッチの位置がかぶらないようにしたりと、家を設計しながら決めました。もともと実家には、父が旅先で手に入れてきたいろいろな絵が飾ってあったんです。子供部屋にあった絵が抽象画で、「一体何だろう、木かな?」と考えたりして、そういう感覚が小さい時から身近にあったのがすごく良かったんですね。だから私の子供にも同じような体験をしてもらいたくて。今は子供と観察しながら、「ここら辺は光って見えるよ」「ここは黄色だよね」「いや、オレンジだ」とか二人で言い合ったりしてます。べたべた触られて嫌だなってのもあるんですけど、それは置いておいて(笑)。

1975年東京都生まれ。青木淳建築計画事務所を経て、2002年に永山祐子建築設計を設立。「ルイ・ヴィトン京都大丸店」や横尾忠則の美術館「豊島横尾館」、小淵沢のホール複合施設「女神の森セントラルガーデン」、「カヤバ珈琲」、「木屋旅館」などを手がけている。主な受賞に2014年度日本建築家協会JIA新人賞「豊島横尾館」等。

http://www.yukonagayama.co.jp/