FUTURE IS NOW

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一器多用・一机多用・一椅多用

限られたスペースを広く活用するために、用途が限定されないものを選ぶこと。「一器多用・一机多用・一椅多用」という3つの言葉は、一つの器、机、椅子を多用に使うという、モノ・モノを創設した秋岡芳夫が1970年代から提唱していた考え方なんです。例えば、一器多用の象徴は蕎麦猪口。お茶も飲めるし小鉢にもなる。用途を限らずに使えるのが良い器だという哲学で、それは家具に対しても同じ。食卓を、くつろぎの場や創造の場、勉強の場など、多目的な場にするというコンセプトで、そこに置くダイニングテーブルはどんなのだろう、椅子はどんなのだろう、ソファを本当に置く必要があるのか、と考えていくんです。今でこそ、ものを増やさないのが時流ですが、時代を先取りして秋岡芳夫が提案していたミニマムライフに、僕は20代の頃から共感しています。

1973年長崎県出身。カタログ雑誌の編集部を経て、フリーライターとして独立。2015年に、モノ・モノの4代目代表に就任。リトルプレス『Crafter』の編集発行を手がける一方、モノ・モノの創設者である工業デザイナー・秋岡芳夫の思想と、1970年代から受け継いできたグループの理念を次世代につなげる活動を行う。

http://monomono.jp/