私にとって、デザイナーという仕事をすること自体が、心が温まる経験を与えてくれるものになっています。今まで世界が見ていなかったものを作り出し、人の考え方や行動にいい影響を与えることができた時は、とても嬉しいですし、この仕事をやっていてよかったと心から思いますね。今、新たな取り組みとして、東大阪市のオリジナルのタイプフェイスを作るプロジェクトに携わっています。タイプフェイスの印象はその地域の印象にもつながるので、町や人の特徴や強みをデザインにどう反映させていくかということをとても重要視しました。東大阪市は、1,000箇所以上の中小企業の工場が密集し、いろいろなカテゴリーのものが作られている町です。今回、そんなものづくりの可能性が広がる町の魅力をタイプフェイスでも表現したいと考えて取り組んでいます。まだ制作途中ですが、見た目のデザインよりも文字同士のつながり方に重点を置くことで、企業と企業との支え合いをうまく表現できたいい仕上がりになってきたと思いますね。