2018.08.02

思いを伝える、贈り物の選び方<全8回>

第4回 川上恵莉子さんの場合

「お中元」や「お歳暮」といった贈り物はあまりしない方も増えつつありますが、その伝統は今なお続く大切な文化です。一方で、手土産やお土産など、日常の何気ないシーンに贈る気軽なプレゼントの形「カジュアルギフト」の需要が高まっているのも事実。実際に人々は、どんな場面で、どんな想いからものを選んでいるのでしょうか?この特集では、自身の活動から人々に刺激や感動を与えている方たちへ聞き取り調査をしてみました。

今回お話を聞いたのは、アートディレクターの川上恵莉子さん。

Profile

川上恵莉子/アートディレクター

1982年東京生まれ。東京藝術大学美術学部デザイン科卒業後、ドラフトを経て、2018年に独立。WordPress.comを運営するAutomattic社(米)のアートディレクターに就任。主な仕事に、丸松製茶場〈san grams〉やメリーチョコレート〈RURU MARY’S〉のブランディング、NHK連続テレビ小説「半分、青い。」タイトルバックアートディレクション。グラフィックデザインを基軸にしながら、プロダクトや空間と仕事は多岐にわたる。

www.erikokawakami.com

贈りたい人:仕事でお世話になった人

贈りたいシーン:ご挨拶のとき

贈りたいもの:RURU MARY’S(ルル メリー) ショコラテリーヌ

ベネズエラ産カカオマス75%のチョコレート、北海道産バター、砂糖、卵のほか、グリオットやオランジュを使い、メリーチョコレートのオリジナルレシピで作り上げたショコラテリーヌ。カカオの香りと味わいがより強く楽しめるのだそう。

選んだ理由

普段、仕事でお世話になった人には、自分の近況報告も兼ねて、お仕事で関わった品物を手土産にすることが多いです。自分がデザインしたものだと、伝えたいこともたくさんありますし、おいしいと自信をもっておすすめできますし。相手の反応を見るのが、毎回とても楽しみなんです。

特に今贈りたいのは、〈RURU MARY’S〉のショコラテリーヌ。〈RURU MARY’S〉は、2017年10月にメリーチョコレートから立ち上がった新ブランドで、私はそこのブランディングを担当しています。丸の内「KITTE」の1Fにあるお店には、チョコレートを自分でつくれるサービスがあるんです。チョコレートの楽しさがぎっしり詰まったお店ですので、オススメですよ。

贈り物の条件

・驚きのあるもの

・負担にならないもの

仕事でお世話になった人への贈り物は、食べ物が多いです。人それぞれ味の好みはありますが、「おいしいからぜひ!」というおすすめの気持ちで贈りますね。特に、面白いものや、話のきっかけになるようなものがいいなと思って選んでいます。食べてしまったらおしまいというより、食べる前に何か驚きがあったり、そこから興味の幅を広げてもらえるようなものだったりしたらいいですね。

消えものではない”もの”を選ぶこともありますが、親しい友人や両親など、好みが分かる相手に限られてしまっていますね。ですが、自分自身、いただけると嬉しいので、これからは、”もの”の贈り物にもどんどん挑戦してみたいなと思っています。最近いただいて嬉しかったものは、エルダーフラワーのコーディアル。真夏だったので、炭酸と割って飲んでみたら、さわやかな香りにとても癒されました。こういう季節感のある贈り物とてもいいなと。今度、私も真似してみたいです。

 

次回は、スタイリストの清水文太さんにご登場いただきます。