未来問答 No.32
きものを着たいと思うのはどんな時ですか?

共立女子大学在学中にデザイナーの故秋岡芳夫氏に影響を受ける。松屋商事(株)を経て、1999年独立し、スタジオ木瓜設立。一人で問屋業を始める。百貨店やショップと作家・産地をつなぐ問屋業を中心に、素材を限定せず、生活用具の展示会や企画アドバイスなどを行っている。
共通質問1)あなただけが気づいている、5年後には定番になっている「もの」や「こと」は何ですか?
ものづくりにおいて、機械仕事と手仕事のバランスが大切になってくると思います。今は、どんなものでも手作りが良しとされ、自分の手元に届いた時の結果だけを重視する風潮があります。しかし大切なのは、作り手が無理をしていないかどうかです。製造過程で体を酷使し、負担になっている現状もあるそうで、機械をうまく用いて、作り手が無理なくものづくりができるようになるといいと思っています。使い手の私たちもついつい手で作られたもののほうがいいと思ってしまいがちですが、機械を全否定するのではなく、柔軟にものの価値を判断できるようになりたいですね。
共通質問2)あなたが幸せを感じる瞬間はどんな時ですか?
面白いと思うものや人に出会った時です。私がこの仕事を始めた時と今では大きく状況が異なります。当時はここまでインターネットが発達しておらず、ものを探す時は自分の知識と記憶、雑誌やテレビが主な情報源でした。今は気になる言葉を検索すると、すてきなものを簡単に見つけられる世の中ですが、その便利さの反面、探す喜びが減ってきている気がします。私は問屋仕事の際、製造現場に訪れることを心がけています。それは、今までの経験上、工場には作り手が気づいていない魅力的なものがたくさん眠っていることが多いからです。工場へ赴き、まだ世に出ていないすてきなものを見つけ、それを手にしたお客さんの喜ぶ姿を見ることが一番の幸せです。