FUTURE IS NOW

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編み物の展示会の後で

最近の話ではないのですが、この仕事を始めたばかりの頃、なかなか稼ぎがありませんでした。ようやくある程度のお金をいただけるようになったのは、展示を始めて4年目くらいの頃。12月にギャラリーで展示を行いました。その帰りに売り上げの現金をまとめて頂いた時に「ほっこりする」ってこれのことだと思ったんです。自分が編んだものをお客さんが身銭を切って買ってくれて、初めてお金を実感のあるものとして感じられました。真っ暗な寒い道をひとりで家に帰りながら、暮れを越すお金がここにあるという安心を感じたんです。

1971年新潟県生まれ。3歳の時に祖母から編み物を教わる。大学卒業後、古着屋の店員などを経て、ニットデザイナーを本職とし、編み物キットやプロダクトデザインを手掛ける。気仙沼ニッティングのデザイナーとしても活躍。著書に「うれしいセーター」(ほぼ日ブックス)など。

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