FUTURE IS NOW

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移動の時

アイデアを出すために、頭の中は潜在的にアイドリング状態です。しかし、24時間、常に考えていても、文脈に捉われているとなかなかいい発想ができません。仕事や家庭などいろいろな文脈がありますが、移動の時は唯一、どの文脈からも離れられる時間です。そうするといろいろな思いや考えが出てくる余地が開いてきます。アメリカの先住民には、織った絨毯のある一箇所だけ未完成のままにして習わしがあるんです。これをオープニングと言います。全部色をつけてしまわずに、余白を残しておかないと、神様が入ってこないという教えです。つまりアイデアを思いつくためにも、心のオープニングを作っておくことが大切。どの文脈でもない移動中はその最適な時間です。

1959年生まれ。東京大学文学部哲学科卒、東京大学大学院・文化人類学博士課程修了。(財)アジアクラブ主任研究員、東北芸術工科大学教授などを経て現在、京都造形芸術大学教授。人類学的な視点から地球環境問題やIT 社会を論じつつ、「触れる地球」などIT技術を活用した地球環境問題への独自な取組みを進める。その活動母体としてNPO法人ELP(Earth Literacy Program)を設立運営、代表理事を務める。

http://www.elp.or.jp/