FUTURE IS NOW

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海外でのんびりと

日本の衣食住をテーマにした『暮しの手帖』の編集長を務めていながらも、実はこのところお正月はほぼ日本にいないんです。東京で一人暮らしだと、なかなか家族と旅行なんてできないので、この長期休暇には「ここぞ」とばかりに海外へ出るわけです。旅先では、妻と子どもは外へ、僕はホテルのテラスでゆっくりミステリー小説を読むなど、それぞれ自由に過ごしています。でも、今年は海外に行かないかもしれません。疲れ気味の私もそのほうが嬉しいので、そうなると、実家に帰って伝統的なお正月をぜひ過ごしたいですね。今では憧れに変わった折り目正しいお正月。理想としては、年末には大掃除やお餅つきなどをしてお正月の準備をします。大みそかの夜は家族とゆっくり過ごし、除夜の鐘を聞きつつ就寝。そうすると、昔感じたように、翌朝、元旦の景色が一変して見えるのです。朝から昼にかけて親戚や友人がぽつりぽつりと集まり「明けましておめでとう」と挨拶をしますが、言葉の通り、本当に世界が明るくなっているんですよね。お正月は日本人として次世代に伝えていく義務がある文化のひとつだと思うので、子どもたちにもぜひ堪能してもらいたいです。

1957年滋賀県生まれ。76年、上智大学外国語学部フランス語学科に入学。 在学中より『本の雑誌』の配本部隊に参加、椎名誠が主催する「怪しい探検隊」にドレイ隊員として参加し、以降師事。 82年、マガジンハウスに入社。宣伝部を経て、『BRUTUS』、『Tarzan』、『olive』各誌を編集後、書籍部編集長に。本業の傍ら、執筆、映画プロデュース、短歌会の主宰など精力的に活動。退社後、フリー編集者兼主夫業を経て、2016年1月、『暮しの手帖』80号より編集長に就任。

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