FUTURE IS NOW

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下高井戸の月見湯

銭湯は生活の一部なので、引っ越す度に、その近所の銭湯に通っています。月見湯は、天然温泉やジェットバスなど数種類のお風呂があって、特に電気風呂はかなり電気が強くて癖になります。大学が近いので、お客さんは学生と地元のおばさまが多いですね。隣町の銭湯はおばあちゃんたちの楽園。場所ごとに集っている人たちの色があって、それを湯気の間からぼんやり眺めるのが好きです。地方出張へ行く時にも、仕事終わりに銭湯を探して入りに行きます。そうすると、その町の人や暮らしが垣間見えますし、たまたま隣り合って生まれた会話から、地元の人しか知らない行きつけのお店を教えてもらうことも。京都ではお好み焼き屋さん、仙台では話をした方がスナックのママで、そのままお店に連れて行ってもらったこともありました。帰りの新幹線で飲む缶ビールとおつまみも持たせてくれて、普段は得られない出会いがあるなと思います。

1985年埼玉県生まれ。在学中からasobot inc.に参加し、ディレクターとして、企画・編集・地域のリサーチを行う(2014年まで)。2006〜2010年、NPO法人シブヤ大学の企画・運営・姉妹校立ち上げを支援。2014年5月〜2015年12月までオルタナティブスペース「undō」代表を務める。近年は、ABI+P3共同出版プロジェクト『言葉の宇宙船 わたしたちの本のつくり方』、Art Support Tohoku-Tokyo『東北の風景をきく FIELD RECORDING』など、さまざまなプロジェクトに伴走しながら編集を行っている。