私の仕事であるセラピーの中で使い、また趣味としても集めている鉱物です。本質の美、ということを石から教わりました。例えばダイヤモンドのように、値段が高い鉱物のほうが価値のあるものと思われがちですが、それはたまたま希少であり、人の労力がかかっているからですよね。でも、石を深く知っていくにつれ、人が作った価値基準にとらわれない、あるがままのその姿に引かれていきました。キズによって光が屈折して石の中に虹が出現し、美しさが増す鉱物もあるんです。だから私はキズや割れ目が入っている石のほうが好きなんですね。モロッコの砂漠で見つけた石も、独特な造形が気に入って拾ってきました。石の美の本質は、人間が後からつけた価値観では揺らがないものです。そこから私は、セラピストとは、人間が本来持っているはずの「何にも左右されない本質の美」というものにお客様を戻してゆく仕事だと思うに至りました。