荷物の重さが軽減されるなど利点はいくつもありますが、一番いいところは、旅先の土地の風土やその時の気分に合わせて、今、読みたい本をその場で購入して読めるところです。シンガポールのラッフルズホテルに泊まった時に、森瑤子さんの『渚のホテルにて』を思い出しました。浜辺の小さなホテルが舞台になっている森瑤子さんらしい映像的な恋愛小説なんですが、「もう一度、読みたいな」とふと思ったんです。そんな時に運良く単行本や文庫本を持ち合わせていることなんてないわけですけど、キンドルがあったおかげで、その場で購入して読むことができました。今の時代だからこそできる旅の楽しみ方だし、キンドルの機能もこれからもっと進化していくのではないでしょうか。「旅と本」という言葉をよく聞きますが、僕の場合は「旅とキンドル」です。