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未来問答 No.22人生で一番泣いた作品は何ですか?

2017—10—17

椎名誠『シークがきた』

『シークがきた』椎名誠(徳間書店)※本作文庫化の際に『雨がやんだら』に改題

椎名誠さんが『SFアドベンチャー』という雑誌に連載していた短編を集めた作品で、小学校5、6年生の頃に読みました。幼い頃から椎名誠さんの作品が好きで、一度、椎名さんに「冒険の仲間に入れて下さい」と手紙を書いたことがあるんです(笑)。すると、お返事にこの本を椎名さんご本人が送ってくださいました。ご本人からいただけたという思い入れもあり、ぐっときましたね。特に印象深いのは、その中に収録されている『雨がやんだら』という話。少女の視点で描かれた日記で、雨が何日も降り続き、その雨が激しくなるにつれ、お父さんやお母さんの機嫌が悪くなっていったり、弟の病気も悪くなっていったりと、暮らしが悪くなっていく物語です。作品そのものも恐ろしいのですが、その設定が当時、自分の弟も体を壊していた状況と重なって、読みながら悲しい涙を流したことを覚えています。

1967年茨城県生まれ。大学卒業後、2年間の商社勤務の後、92年インディマガジン『Bar-f-Out! (バァフアウト!)』を創刊。TCRC設立。99年『Spectator(スペクテイター)』創刊。2001年、有限会社エディトリアル・デパートメントを設立。11年、編集部を長野市へ移す。
http://www.spectatorweb.com